私、なんちゃって看護師なので、頼りにされてしまうと困るという思いで、周囲の人にも極力看護師ということを隠しております。次男君の出産の際も、長男君の入院の際も、受診の際も、なんにも知りません顔で貫き通してきました。なので、今の長男君の少年野球でも、私が看護師ということを知っている人は1人くらい。他の人が対処できない時は出て行こうと思うけど、他のママでもわかっているなら別にでしゃばることもないと思って静かにしておりました。それから1年経ち、それほど大きな怪我に出くわすこともなく、そっと過ごしてきたのですが。つい先日、それを揺るがすことが起きました。

 先日、長男君の少年野球で部員の子がスパイクで指を踏まれて、爪の中に血豆ができてしまうという事がありました。指はどうにか曲がりそうだけど、すごく痛がっているので、とりあえず氷で冷やすことになったのですが、私は次男君が昼寝中だったので、手を出すこともあまりできず。とりあえず怪我しているの子がちょうど私の前に座ったので、力の入ってしまっていたので背中をさすってあげていました。すると、4月から入ってきた子のママがやけに機敏な動きをしているのに気づきました。
 
 「曲がる?」「うん、これくらい曲がれば大丈夫。」初動がやけに早すぎない?最初っから痛がる指を曲げさせるなんて素人なら普通やらないわよね?
 「痛いよね。でも、大丈夫だよ。冷やしてもまだ同じくらい痛むなら、骨折とかも疑わなくちゃいけないから教えて。」子供へのフォローもやけに板についているし。
 「もし痛がるようだったら、爪の端を切ってあげると創の圧迫が開放されるから楽になると思うよ。」創?一般の人がそんな表現しないしー!このママ、確実にドクターかナースだわ。指示がとっても的確だもの。とても私が出て行く隙なんてありゃしない。
 
 私の読みどおり、新入部員の子のママはナースでした。でもね、私の冴え渡る勘ではそんなところまでは簡単に推理できます。私が知りたいのはその先よ!何科かが知りたい!「老人から小児までどんとこい。」って言ってるし、テーピングの仕方まで他のママにきちんと指導までしていて、しかも、「その後に不安になったら写メ送ってくれれば判断するよ!」なんて言っていて、この自信のある感じ、絶対普通の病棟看護師な感じがしない…。こりゃ、本物の、バリバリの看護師だ。絶対救外ナースに違いない!でも、その後の他のママとの雑談には詳しい科のことが出てきません。知りたーい!

 思い切って聞いてみることにしました。「救外なの?働いているのって。」でもね、相手の返答は私の予想を超えてきました。「元々はね、ERだったの。独身時代は。でも、今は子供もいるし、そこの先生に誘われて、小児も整形も脳も診るクリニックで働いているんだー。」え?ER…?ERってなんだっけ?なんだかキラキラした響きすぎてまったく入ってこない…。ERって確か救外のことだった気が。輝かしきERの元ナースに向かって、救外なんて聞き方ダサすぎて、申し訳ないやら恥ずかしいやら。でも、表現は多少古さが目立つものの、やっぱり私の勘は冴え渡っていることが判明したので、ちょっと嬉しい。

 ここで隠していると、後でばれた時にすこぶる恥ずかしいので、私もナースであることをそっとカミングアウトすることにいたしました。「実はね…私もなんちゃってなんだけど、一応看護師なの。」と。「えーそうなの?!」とびっくりしていました。そりゃそうよね、さっきの騒動の時、静かになりを潜めていたんだもの。なんて。卑屈になりすぎでしょうか?
 
 彼女は注射が大好きだそうで、サーフローが好きでたまらないんですって。たくましい…。今の病院はサーフローもあんまり刺すこともなくて気が楽だったんだけど、こうしてバリバリやっている人の話を聞くと、自分が頼りなさ過ぎて、切なくなります。このままのんびり働いていていいんだろうかー。とはいえ、バタバタ働いていると、家事をする気も起きなくなるし。あー、昔にもっと自分に鞭打って苦労する病棟に行くべきだったし、もっとしっかり自信持てるまで働いておくべきだったわ。セレブな患者さんの対応ばかりに気をとられてたから、知識が浅いし、弱いし。外来ではある程度DMや呼吸器については詳しくなったものの、やっぱり限局された知識だし、患者さんを総合的にアセスメントできるような時間はなかったし。はぁ~。ほんと私って、なんちゃってだなぁ。

 私も普段の生活でもみんなに役立つ看護師であったなら…。まぁ、40近くなって後悔してももうはじまりませんから、私なりにできることを探していくしかないのでしょうね(遠い目)。がんばれ、私!


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