テレビで生活保護の人たちの生活を見たり、実際に受診したり、入院してくる生活保護の人を見ていると、「なんでこの人もらってるの?」と思うことが多々あります。そうかと思えば、親の残したボロボロの小さい持ち家があるという理由で、身寄りもほぼない精神疾患もある人が生活保護を断られて、1日おにぎり1個にも満たない量しか食べられず、垢だらけのガリガリで入院してきたこともあります。うーん。こういう認定が必要な制度の判断基準って本当にわけがわからない。

 

リハビリ病院で働いていると、ソーシャルワーカーさんが「介護認定が…」と言っているのをしょっちゅう耳にするようになります。前回5年前に働いていた時、なんとなーく頭の片隅にあった介護認定。病棟の勉強会なんかで学んだものの、専業主婦になってそんなものはとっくに忘れきっていました。なので、この機会に慌ててお勉強。

 

要支援1、要支援2、要介護1~5までで、それによって受けられる介護サービスや保険適応の月の上限金額が決まるという介護認定。申請してから職員が認定の判定に来て、1ヶ月ほどで結果が出るようです。認定の有効期間は新規だと6ヶ月。その後は1年ごと。特養には要介護3以上の人しか入れないとか、要支援1だったら月5万位の保険適応上限が要介護5だと30万台まで上がるとか、どの介護度になるかは結構重要ですよね。

 

要支援1・2はほぼ自立で、少しだけ支援が必要。要介護1は歩行や立ち上がりが不安定で日常生活に部分介助が必要、要介護2は歩行や立ち上がりが自力では困難で、日常生活に部分もしくは全介助が必要。要介護3は歩行や立ち上がりが自力で出来ず、日常生活動作全般に全介助。要介護4はほぼ寝たきり状態で日常生活動作は全介助。要介護5は日常生活動作は全介助で意思伝達も難しい状態。

 

こうして勉強してみると、ひっかかることが多々出てきました。整形オペ後で車椅子で入院してきたけど、リハビリが進んでごく普通に歩き回っている患者さんが要介護5。脳梗塞後で、認知症もあるけど、移乗は軽介助で車椅子を自分でこいで動き回れちゃう患者さんも要介護5。脳出血オペ後で現在も寝たきりで指示入りにムラがある経管栄養の患者さんが要介護4。うーん。わからん。

それだけ歩けるようになっている人が退院後介護サービスを使うかと言ったら、それほど使わないのかもしれないし、初回認定は更新までは半年と短い。とはいえ、やっぱりひっかかります。脳疾患の人などは麻痺がある人が多いので、サービスは受けられるに越したことはないですし、その1の差が大きいのではないかなと思うんです。この差、何があったらこんなことになるのか、単純な私は「不正…?」としか思いつかない。

 

そこで、「この人にこの介護度って・・・」と先輩ナースに聞いてみたところ、そのからくりは実に単純なものでした。オペ後すぐの寝たきりの時に認定の訪問が来ていると、介護度が思いっきり上がるということだそうです。そりゃそうだ。

 

こういう制度において、知らないっていうのは本当に損ですよねー。早めに申請しておけば、オペ直後や一番調子の悪い時に評価に来るので介護認定が高くなり、回復してからだと当然介護度は低く評価されやすくなるわけです。整形の患者さんは命に別状がないことが多いので、家族も介護認定の申請に気が回るけど、脳疾患の人は生命の危機に面しているのでご家族も余裕がなくて、後回しにしちゃうことも多く、そのために最悪の状態から回復しちゃって(いいことなんですけどね。)介護度が低くなってしまうことが結構あるんですって。先輩ナースとしても納得いかないことが多々あるようです。

 

国民としては必要以上の税金を使われるのは困ってしまうのですが、ナースとしては申請をした時期でそんなに評価が変わってしまうなら、リハビリ病院に来る前の急性期病院にいる時点でもっと早くソーシャルワーカーが介入してあげて、特に脳疾患の患者さんの介護申請を急がせてあげてほしいなーと思ってしまいます。麻痺のある人の回復って本当に大変だもの。ご家族も本当に大変。自宅でみるならなおさら。

あと、反対に整形のオペ後は回復する可能性が高いので、もう少しオペ方法などを加味して調査したりしないといけない気がします。しょうもない私ですら気づくようなひどい誤差が生じないためにも、この辺をもっと考えなおさないといけないんじゃないかなぁと思うんだけど。やっぱり難しいのかしら。

でもきっと万人に公平な制度を作るって至難の業なんでしょうねー。机上の空論とならないように有識者を入れて作っているんだろうけど、現場から見てみるともどかしさがあります。私や主人が介護保険にお世話になる頃には、抜け穴のない完成形の介護保険になっていてくれることを祈るしかありません。あ、でも、その前に親でお世話になるかもと考えたら、そう余裕もないのかしら…。とりあえずもしもの時は、薄情と思われても介護申請は急ぐってことでがんばります。整形の場合は、あれだけ文句言ったくせにだけど、知っちゃったからにはやっぱり…申請、急いじゃうかな。


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